エコキャップ運動をご存知だろうか。かなり広まっているので知っている人は増えているだろう。職場でも、近所のスポーツクラブでも、ゴルフ練習場でも、キャップを入れるためのかごが用意してある。
使用済みのPETボトルを捨てる時に、キャップだけを分別して集めてしかるべきNPOに送ると、そのNPOがキャップを売却し、その収益金でワクチンを途上国に寄付するという運動だ。
ゴミに混ぜて捨てれば燃やされてしまうキャップが、分別すればリサイクル可能な資源になり、しかもその収益が途上国の子供たちのために使われる...環境にも良く、人助けにもなる、まことに申し分のない活動である。
しかし、本当にそうか。NPOのサイトによれば、400個のキャップで10円になるのだという。他方で、キャップを輸送するのに2400個あたり630円の輸送費がかかる。2400個割ることの400個は60円だ。630円かけて、60円を寄付する計算になる。金銭ベースでぜんぜん採算が合っていない。
630円かけて60円を寄付するくらいなら、はじめから630円寄付した方がよいのではないか。集めたキャップの輸送に使われる燃料からCO2も発生するし。
それに、最近はゴミを燃やした熱をサーマルリサイクルする自治体も増えており、ゴミとして捨てたものがすべて環境負荷になっているとは限らない。
かつてカン入り飲料のプルトップが取れた時代に、プルトップを集める運動があった。プルトップを集めて売却し、福祉用具を購入してしかるべきところに寄付するという運動だった。しかし、これが実は都市伝説だったらしい。
もちろんプルトップは資源としてリサイクルできる有価物であるが、何もプルトップだけを集める必要はない。カン本体もアルミや鉄としてリサイクルされているのだから、一緒にリサイクルすれば良いだけのことだ。
どうもエコキャップ運動は、プルトップ運動の生まれ変わりのような気がしてならない。私たちには、一見資源的価値がありそうな小物を集めたがる性癖があるのではないか。それを集めることで環境保護や人助けができるというストーリーが好きなのだろう。
善意でやっていることを頭ごなしに否定はしないし、キャップを捨てるときに目の前にかごがあればそこに入れるが、少なくともそれでとても良いことをしているとは思っていない。