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2008年7月 2日 (水)

中国の奇妙なネット直接民主主義

中国は、共産党独裁で言論の自由がないことは周知の事実である。報道機関はすべて共産党の指導下にあり、政府・党を批判することは基本的にない。

 

しかし、あらゆる国において、まったく無謬の政府とかすべての国民が満足する政策というものはないので、政府を批判する言論があるのが自然な状態である。

 

世の中にはやってみて結果を出してみないと正しいかどうかわからないことが多い。民間企業は消費者に喜ばれる商品・サービスを開発するべく必死の努力をしているが、それでも売れるかどうかは発売してみないとわからない。まして、政府が行うことは多くの国民に選択肢なしに影響を与えるが、国民の置かれた状況は千差万別であり、良かれと思ってやった政策でも期待したとおりの結果にならないこともある。だから無謬の政府などというものはないのである。

 

さて、政府を批判するマスメディアのない中国なら、政府は思いどおりに政策を実行できるのかと思いきや、そうではないようだ。自衛隊機による四川大地震救援物資の輸送や、東シナ海油田開発プロジェクトへの日本の参加など、中国政府がいったん決めたことが、中国国内のネット掲示板への批判的な書き込みに配慮して撤回されたり、国内向けの説明では日本に譲歩していないことを強調したりと、独裁政権とは思えない弱腰な対応をするケースが最近多い。

 

中国でも自由な言論の萌芽が見られ、政府が民意を汲み取ろうとするのは歓迎すべきことだが、個別案件についてネットの意見に振り回されているとしたら、それはあるべき民主主義とは違うのではないかと疑問を感じる。

 

日本をはじめ、代表的な民主主義国にあっても直接民主制を採用していないのには理由がある。そのひとつは数千万人にも上る有権者の意思をいちいち聞いていたら費用と時間がかかってどうしようもないことである。もうひとつは、個別案件ごとに直接民意を聞いていたのでは、首尾一貫した政策ができないからである。

 

たとえば、「税金は少ないほうがいいですか?」と聞かれれば誰でも「はい。」と答えるだろう。また別の時に、「福祉は手厚いほうがいいですか?」と聞かれれば誰でも「はい。」と答えるだろう。しかし、税金を減らすことと福祉を充実することとは二律背反の関係にあるのであって、両者のバランスを取って政策を決定しなくては実行できなくなってしまう。

 

整合性のある政策体系を作るのは専門家の仕事だ。その一翼を担うのが報道機関のはずである。具体的な政策案を作成するのは政府や政党の仕事だが、それを批判的に検証するのは報道機関に期待される役割である。この役割は、ほぼ言論の自由が保障されている日本でも必ずしも十全に機能しているとはいえないが、御用メディアしかない中国ではおそらくまったく機能していないだろう。

 

そのような報道機関が果たすべき役割が欠落した状態で、個別案件についてネット掲示板の意見が直接政府の行動を規制するとしたら、政策の整合性がいっそう損なわれていびつになってしまう恐れがある。

 

中国政府はネット掲示板の書き込みに振り回されるよりも先に、健全・建設的な批判精神を持った報道機関の育成をするべきではないだろうか。私は、そのような健全な政策プロセスを持った国を隣人として持ちたいと思う。

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