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2008年10月23日 (木)

「翻訳夜話」村上春樹・柴田元幸

Photo 小説家でありながら翻訳も続けている村上春樹と、村上の語学面のチェックを長く勤めてきた東大助教授(当時)の柴田元幸による翻訳をめぐる対談集。主に学生などの第三者との質疑応答によって構成されている。

 

村上にとって翻訳とは、偉大な先人の作品から学ぶプロセスであり、「極端に濃密な読書」だという。小説を書くのは「我を追求していく」消耗する作業であるのに対し、翻訳は外部にテキストが既に存在しているので比較すれば楽であり、楽しい作業だともいう。創作と翻訳とを交互に行うことで創作の質が上がる。

 

二人の共著者が共通しているのは、翻訳に完全はなく、所詮は訳者の色がついてしまうものだという立場だ。だから自分が本当に訳したいと思うテキストに出会うことが重要だという。それによって、翻訳の作業が楽しめるし、そのテキストを日本に紹介する使命感が出てくる。自分に合わないテキストを嫌々翻訳すると訳文の詰めがいい加減になってしまう。

 

私は文芸作品の翻訳は戯れにも試みたことはなく、実務文書を翻訳したことがあるだけだ。しかし、この有名な二人の翻訳家が語る内容は、私にとっても共感できるか、ないしは、若干の想像力を働かせるだけでああきっとそうなんだなと思えることが詰まっていた。異なる言語の間を橋渡しする翻訳という作業には、実務と文芸とを問わず共通する要素があることが興味深かった。約250ページの新書としてはやや厚手の1冊だが読み終えるのはとても容易だった。著者の訳書の愛読者にとっても楽しめるだろう。

 

なお、翻訳の個別の技術論はほとんど書かれていないので、初学者がテクニックを学ぶための本ではない。

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