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2008年10月27日 (月)

「ダンシング・ヴァニティ」筒井康隆

Dv 筒井康隆を読むのは何年ぶりだろう。まあそんなことはどうでもいいのでおいといて。

 

本作の最大の特徴は、版元によって「反復文体」と名づけられた、同じ場面(正確には毎回少しずつ違う)を何度も繰り返す構造だ。

 

この繰り返しは何なのか? 作者が仕掛けた「からくり」であるのはわかるとして、その意図は。

 

読み進めながら頭に浮かんだのは次のような可能性だ。

 

老人の繰言――作者ももう70代なので自分の老齢を笑うためにわざと老人の繰言を小説の構造に取り入れてみた。

 

ジャズの即興の模倣――ジャズのソロではコード進行が同じでも演奏するたびに違うメロディを奏でる。それを小説でやってみた。

 

リズム――繰り返すことによってある種のリズムのような効果を狙った。タイトルが「ダンシング…」というくらいだからダンス音楽の構造に倣った。

 

多次元宇宙――毎回少しずつ違うので、昔のSFによくあった多次元宇宙を描いているのでは。

 

夢――夢には堂々巡りをして決着のつかないものが多い。本作は夢をテーマにしているので、堂々巡りも夢と同じ構造にした。

 

コンピュータゲーム――これは最後の方で作者が自分でネタばらしをしている。

 

たぶんこのうちのいくつかは当たっているのではないか。

 

精神分析学、ドタバタ、登場人物のキャラクターが戯画的に明確であることなど、いつもの筒井康隆は健在である。

 

時々出てくる白い顔のフクロウのモチーフは映像をはっきり喚起する力を持っており、小説の中で次々に起きる出来事に非現実的なイメージを付け加えているとともに、繰り返しでダレそうになるところで区切りをつける句読点のような効果を生んでいる。

 

作中に出てくるフクロウが歌った「ダンシング・アウル」という歌(といっても歌詞だけだが)が、独特のリズム感を持っている。これも後半にたびたび登場し、場面に華やかさを付け加える効果を出している。

 

キトクロ キトクロ キノクトロ

キクラト キクラト キノクラト

キノ キノ キトロ キノキトロ

カラトロ カラトロ キノカトロ

カクラト カクラト キノカラト

カロ カロ カトロ カロカトロ

 

ぜひ実演を視聴してみたいと思い、だれかがYouTubeにでもアップしていないかと探してみたが、なかった。

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