ヘンデル「メサイア」バッハ・コレギウム・ジャパン
2008年12月23日にサントリーホールで行われた演奏会を聴いた。例年バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)の「メサイア」を聴いているのだが、その都度、版、ソリスト、座席が違うので、印象も毎回少しずつ異なる。
今回は、座席が2階RB(右側)だったので、舞台との距離は近かった。オルガン(今井菜緒子)やチェンバロ(鈴木優人)の手元が良く見えた。舞台上にBCJの合唱は弧を描いて配置されていたので、左側の女声が良く聞こえた反面、男声合唱は聞こえにくかった。
ソプラノのレイチェル・ニコルズは声量があり美声だったが、弱音部になるとニュアンスがわかりにくかった。同じくソプラノの藤崎美苗は、やや緊張しているように見えたがBCJらしい清澄な歌声だった。カウンターテナーのクリストファー・ローリー(連れ合いはお笑いコンビ「ジョイマン」の高木に似ていると言っていた)は、柔らかな声でニュアンスもあったが、フォルテッシモではやや声量が物足りなく聞こえた。テノール櫻田亮は安定していた。テノール水越啓は1回しか出番がなかったせいか、やや硬い感じを受けた。バスのドミニク・ヴェルナーは声量・表現力に富んだが、後半、力強さが衰えたように感じた。以上の感想はいずれも2回RBというかなり横から聴く位置だったことが影響している可能性がある。
合唱を含め、日本人歌手の英語はカタカナ調の発音が気になった。例えば、18.Chorusの‘burthen’(現代語ならburden)を「バーデン」と/a:/という母音で歌っていたのは英語になっていない。
鈴木雅明の指揮は、蒸留水のように済んだ響きの奥に音楽のメッセージを見出させるBCJのスタイルである。薄味なのでドラマティックな演奏に比べると聞き手側の積極的鑑賞力が求められる。
あらためてハレルヤコーラス(39.Chorus)は充実した音楽であることを実感させてくれた。繰り返される「ハレルヤ」のフレーズが印象的で通俗的に有名だが、通俗名曲は真の名曲である。
キリスト教は信じていない私だが、40.Ariaの歌詞をじっくり読みながら演奏を聴いていたら涙が出そうになった。
I know that my Redeemer liveth,
and that he shall stand
at the latter day upon the earth.
And tho’worms destroy this body,
yet in my flesh shall I see God.
For now is Christ risen from the dead,
the first fruits of them that sleep.
全体としては満足な演奏会だった。




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