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2009年3月12日 (木)

ちくま日本文学001「内田百閒」

Uchida_hyakken 「ちくま日本文学」は、一人の作家につき1冊にまとめた意欲的な文庫版の日本文学全集だ。その栄えある第1巻が内田百閒である。高い評価は知りながら、その著書を手に取ったことがなかった作家たちを知るのにちょうど良い。

 

内田百閒の名前も昔から知っていたが、枯れた渋い随筆家であるようなイメージを勝手に抱いていて、著書を手に取ることはなかった。

 

気まぐれで本書を読み始めて驚いた。

 

その小説では、夜なのに空は明るく、人々の話す内容はよく聞き取れず、言いたいことを言おうとすれば声が出ず、知っているように思える人は思い出せず、どこからか水の音が聞こえてくる。事態は自分の望むようには展開せず、かつ、先が読めない。不条理さにおいては、絵画でいえばキリコ、マグリットを連想させ、ナンセンスさにおいては、筒井康隆の先輩格にあたるだろう。

 

多くは見た夢をヒントにしていると思われるが、ただ夢の内容を文章にしただけにはとどまらない意味がある。過剰な自意識とその反作用としての疎外感、大きな体制の中での人間の矮小さの感覚が描かれている。大正から昭和初期に書かれたとは思えない、平成の現代にもそのまま通じる感覚がしっかりと伝わってくる。

 

借金や借り物のエピソードが出てくる随筆などでは、現実の生活の苦労についての愚痴が顔を出してくる。しかし、あくまでもリアリズムではなく、とぼけたユーモアにくるんである。

 

『ノラや』が代表作の一つとされているようなので、できれば本書に収録してほしかった。

 

 

ちくま日本文学001「内田百閒」

ISBN: 9784480425010

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